第56代 理事長 福原巧太
【スローガン】
輪
~多様性社会の実現のために~
【 所 信 】
―はじめに―
2023年、私達は「自立」のスローガンの下、第71回関東地区大会の主管LOMとしてメンバー全員で一丸となり、多くの関係者の方々と共に大会成功に向け一所懸命に取り組むことで、課題やビジョンを共有する人々と地域が繋がり、未来を見据えた協働関係を築くことが出来ました。更には創立55周年という歴史と伝統を継承し、一人ひとりが自立したJAYCEEになる為に、日々奮闘して参りました。この素晴らしい経験が出来たことは、これまで多くの先輩諸氏に支えられ、地域に支えられ、そして家族に支えられ「いま」があり、成長の機会があったからだと心から思えます。すべての方に感謝の気持ちを言葉だけではなく、行動として表してまいります。
我々が住む館山市・鋸南町・南房総市・鴨川市は、2019年の房総半島台風、2020年初頭から始まった新型コロナウィルスによるパンデミックの影響により、人々の生活環境は大きく変化し、当たり前だった生活が当たり前ではなくなりました。更には混沌とした世界情勢がそのまま時代と共に移り変わることで、新たな生活スタイルを確立していきました。このような社会の変遷の中を生き抜いていく為には、今こそ希望をもたらす変革の起点となり、社会の課題を解決する英知と勇気と情熱を持って行動を起こしていく必要があります。
―夢を掲げ続ける若き地域のリーダーとなる―
創立より55年という歴史と伝統を築いてきた我々館山JCは、先輩諸氏が粉骨砕身して創り上げてこられた青少年事業やまちづくり事業を中心に、地域にとって必要な存在となる為に多くの影響を与え続けてきました。そこには必ず、若き地域のリーダーとして最前線で躍動するメンバーが存在し、夢を語り、運動に参画する青年を巻き込み、増やし、地域と手を取り合うことで、共感の連鎖を生み続けてきました。いつの時代でも、強靭な意思と⾏動⼒が伴う個が集う組織は社会をより良く変化させる⼒を持ちます。現代社会において、将来が不確実で見通しがつかない中、多くの人が知恵を出し合い、新しい価値を創出し前に進むことが求められています。リーダーとは特別な人がなる訳ではありません。あらゆる立場で自分の強みを発揮し、全員がリーダーになることが重要です。そしてその影響が結果的に地域へ「輪」として拡がり、運動をする為の装置が車の車輪のように回り出し、メンバー一人ひとりが輝く多様性あふれる社会が実現されることで、新たな時代を構築できると信じています。
―地域に拡げる影響の「輪」―
単年度制である組織としての活動ではありますが、毎年必ず行っている業務を遂行している事業も存在します。しかし変わらない事業だからこそ、やるべきことは明確にマニュアル化をされており、それを更にブラッシュアップして引き継いでいく必要があります。また、活動内容を多くの市民に広報として発信していくためには、発信力やスピード感から考えるとインターネットによる広報活動は必要不可欠であり、効果的手法と考えます。館山JCの存在を一人でも多くの市民に知って貰うということは、私たちの運動が市民から市民へと伝わっていく波及効果に繋がりますし、私たちの活動に興味を持ってくれる人が増えれば会員拡大にも繋がります。また、自分たちの活動が広報を通して「見える化」するということはメンバーの達成感やモチベーション向上にも繋がります。現状の広報ツールに甘んじることなく、新しい取り組みにも着手して果敢に挑戦をし、影響の「輪」を拡げていきましょう。
―能動的な姿勢を導く交流の「輪」―
入会歴が浅いために、活動する価値を見出すことが出来ていなかったり、何となく活動しているメンバーも少なからずいると思います。しかし、活動自体を自分事と捉え前向きに取り組むことで見える景色が変わってきます。人と人との付き合い方や、話し方、仕事の段取りや物事の考え等々、JCだからこそ学べることであり、必ず自分自身の人生をプラスにしてくれると断言できます。JCでは沢山の経験を得ることが出来る機会という扉を提供してくれますが、その扉を開くかどうかは自分自身で判断しなくてはなりません。積極的にJCに向き合い、与えられたチャンスを自分の手で掴みに行き、扉を開ける楽しさを伝播していきましょう。そしてその行動は地域で活動する異団体までも巻き込み、明るい豊かな社会を築くための一番の近道になると考えます。志を同じくする方達との接点を創り、交流の「輪」を拡げていきましょう。
―未来に繋げる成長の「輪」―
未来の担い手である子どもたちの健全な育成は明るい社会の実現には必要不可欠であり、責任世代である我々青年の責務であります。これまでの館山JCの歴史の中で、1983年に第1回サマーキャンプが始まって以来、39回も青少年育成事業であるサマーキャンプとして、未来ある子どもたちを対象とした様々な事業が展開されてきました。これはまさに、これまで多くの先輩諸氏が築き上げてこられた地域の誇りであり、財産となっております。そして本年は、40回目のサマーキャンプとして実施できるチャンスが訪れます。変化の激しいこの時代を生き抜き輝かしく成長していくためには、いかなることにも対応出来る力を多くの子どもたちに育成する必要があると考えます。過去の事業に学びつつも新しい手法を取り入れ、失敗に臆することなくどんな逆境にも立ち向っていける勇気を持ち「生きる力」を身に着けて貰えるような事業を実施し、実際に自分の目で見て体験する経験を通して子どもたちの成長に繋げられる「輪」を拡げていきましょう。
―歴史を紡ぐ継承の「輪」―
災害対応で最も重要なことは「過去の災害の教訓に学ぶ」ということです。我々自身は令和元年房総半島台風にて被災した経験により、防災意識は格段に向上し、館山JCとして防災意識を高い水準で保つために、数多くの意識向上例会を地域と共に行って参りました。これからもいつ発生するかわからない自然災害に対し、継続的に防災や減災を考えることで災害に強いまちづくりの展開を目指します。また、行政の枠組みを超えてより幅の広い活動ができるようJCのネットワークを利用した広域的なコミュニティーを確立させ、横の繋がりを強化し、常に連携が取れるつながりの強い組織へとステップアップ致します。今こそ、これまでの歴史と伝統を振返り、過去と未来を紡ぐ継承の「輪」を拡げていきましょう。
―結びに―
今日もこうして青年会議所活動を行えているのは多くの人のおかげです。家族や社員への感謝、共に活動する仲間、55年という歴史を創りあげてきてくださった先輩諸氏への感謝の気持ちは決して忘れてはいけません。そして、その気持ちを常に言葉にして、更には行動に移して伝えていきましょう。
人生は挑戦の連続です。挑戦する前から無理だと決めつける先入観を捨て、人に語りたくなる社会を目指し、未来を生きる世代の笑顔を想い、私たちが考える夢や希望に溢れた持続可能な社会へとつながる大胆な事業を実行してまいります。決して一人ではありません。必ず側で支えてくれる仲間がいます。未知へと挑戦をする心、仲間を想い互いに認め合い、支え合う心が合わさった時、一つのチームとして輝きを放ち、誰もが自分らしく生きられる多様性社会の実現に近付けるのだと信じて必ず実現していきましょう。
2024年度、我々館山JCの全メンバーが、未来に憧れるのではなく、自分たちの手で夢を叶えるという強い気持ちを持ち、新時代の旗手になれるよう共に歩んでいきましょう。
1年間どうぞ宜しくお願いいたします。