
第55代理事長 望月 大輝
【スローガン】
自 立
~若さ溢れる地域のリーダーとなろう~
【 所 信 】
―はじめに―
「JCって何をしている団体なの。」時折、この言葉を問われるのは私だけではないと思います。そのような時、先輩諸氏が積み上げられた地域に対する歴史ある運動を用いて説明する癖はありませんでしょうか。
私たちは、何のために集い、時間を費やし、議論を交わしているのか、それは愚直に我々の地域の今を見つめ、我々の地域の未来を創造するためであります。誠の郷土愛をもって、真剣に語り合い、絶え間なく挑戦することで、自ずと今何をしている団体なのかということが導けるはずです。
我々の活動地域である鋸南町、館山市、南房総市は、2010年から2040年にかけて、20~39歳の若年女性人口が5割以下に減少する市区町村と定義される、消滅可能性都市に属しております。この地域問題は、我々の団体も同じことが言えます。2015年には約50名いたメンバーも2023年には20名台のスタートと減少傾向が続いています。我々は持続可能な団体であるためにこの現実と向き合い、またその地域に存在する団体として、1ミリでも良い方向に前進するために会員拡大及び意識変革をしていく必要があります。
―自立とパートナーシップ―
1969年10月26日、京葉工業地帯の拡大と国際空港等飛躍的発展を遂げつつある千葉県において、南房総の役割を強く意識せねばならぬという強い思いで、館山を中心とした南房総にJCI館山の旗を掲げられました。
本年、創立から55年という節目を新たなスタートとし、この先10年20年と永続的に地域に必要とされる団体として歩み続けるためには自立する必要があります。
ここで掲げる自立とは、辞書で引く「他の力をかりることなく、また他に従属することなしに存続すること」とは違い、個の考えを確立し社会的に明確な役割を担うことであり、言い換えるのであれば、社会的に目指すゴールを明確にして道筋を示すことであります。また、その道中には我々だけでは解決できない弊害も出てきます。そこで、効率的なJC運動を展開するためには、自治体、学校、企業、市民との密接なパートナーシップが不可欠となります。我々特有の若さと熱量をもとに、一人でも多くの共感者いわばパートナーとともにゴールに向かって駆け抜けましょう。
―自立した組織づくり―
JCとは成長の機会を与えてくれる団体であります。しかしこの機会とは必然的に訪れるものではなく、能動的に参画することによって掴めるものです。メンバー一人ひとりが、何のためにJCに所属しているかを改めて考え、JAYCEEとして自立することによって、当事者意識を芽生えさせ例会出席率向上を目指しましょう。
JCは「まちづくり」を行う団体であると同時に「ひとづくり」を兼ね備えた団体であり、我々メンバーは地域のリーダーであるとともに、地域を牽引する青年経済人であります。地域の人口減少に伴う地域経済のひっ迫やインフレの影響による物価高など、明るくない状態が続く昨今ですが、地域経済のリーダーとしての「人財」を育成し、まずは我々がこの地域で若さ溢れる輝く青年経済人となることが、JCI館山のブランディングにつながると考えます。
組織とは志を同じうする個の集合体であり、一人ひとりが意識変革をした組織は必ずや幹の太い魅力溢れるものとなります。
―自立した発信―
JC運動において情報発信は必要不可欠であります。昨今の多種多様な媒体はターゲットを明確にして、計画的に利用することで初めて効果のあるものとなります。JCI館山の運動に対して一人でも多くの市民の皆様に共感や賛同を生むことが、運動を昇華させるとともに会員拡大への近道であります。効果的に運動を伝播するため、コンプライアンスに遵守してスピード感をもって発信していきましょう。
―自立した青少年育成と地域防災―
本年、南海トラフ地震の40年以内の発生率が90%に引き上げられ、いつ発生してもおかしくない状況下にあることは周知の事実であります。我々の地域でも未曾有の被害を受けることは簡単に想像できます。
自然災害は残酷にも老若男女に襲い掛かります。大人は有事に対して、今までの経験値や知識の中である程度対応できる可能性がありますが、知識や経験の少ない青少年はそうではありません。学校では判断力は教えることが出来ますが、決断力を教えることはできません。知識は教えることが出来ますが、知恵を教えることはできません。実体験を通じてこれを養い、この地域に防災ジュニアリーダーを育成することは、地域防災確立の一つであると考えます。
令和元年房総半島台風で被災した我々の防災意識はある程度高いものと考えますが、改めて地域全体で有事を想定した防災、減災を本気で考える必要があります。
防災を起点とした地域のコミュニティーを確立し、防災ジュニアリーダーを育成することで、それが自動的に防災意識を高い水準で保つ装置となり自立した地域防災につながると考えます。
―自立した地域になるために―
我々の住まう安房地域は、2040年には10万人を割り込み、現在より約2万人減少することが予想されています。また、少子高齢化もさらに加速し、人口の約半数が65歳以上となる未来が待っています。人口減少が進み、行政の歳入も減少していくことで、生活インフラ、交通インフラ等、生きていく上で必須な整備はやがて限界を迎えます。鋸南町、館山市、南房総市の行政区画の概念をはずし、一つの地域として捉え、未来を創造することで自立した地域を率先して提唱していきましょう。
―第71回関東地区大会と会員拡大―
本年JCI館山は、関東地区大会の主管LOMとして新たな挑戦をします。メンバー一人ひとりが限られた時間の中で、生業と並行しながらJC活動をしています。関東地区大会に向けた準備は決して平坦な道ではありませんが、関東地区内157分の1の責任として、メンバー誰一人取り残すことなく一丸となり、多くのパートナーとともに大会成功に向けて我武者羅に取り組んでいきましょう。また、関東地区大会に向けて意識の高まった瞬間を会員拡大の最大の好機と捉え、20名の会員増強を目指しましょう。
―おわりに―
本年は、第71回関東地区大会の主管LOMであると同時に創立55周年という成長の機会に溢れた1年になります。またこの1年は、多くの高い壁がいくつも待ち受けていることでしょう。しかし、この壁をメンバー全員で乗り越えられたとき、それは活気に溢れたメンバー一人ひとりが自立したJCI館山になっていることは間違いありません。JC活動は、社業、家族、同志があって初めて成立するもので、一人では決して成立しないものです。周りの人を常に気にかけ、利他の精神と感謝をもって颯爽と共に駆け抜けましょう。そして、一日を懸命に生き、心躍る明日という日をイメージするように、一つひとつのJC活動、JC運動へ真剣に向き合い、明るく豊かな地域の未来を創造していきましょう。
創立より55年という歴史と伝統を築いてこられました、先輩諸氏に多大なる感謝を申し上げ、またそこに新たな1ページを刻める歓びと誇りを胸に理事長としての職務を全うして参ります。
1年間どうぞ宜しくお願い致します。